シングルマザーで「もっと収入があれば」と悩む方は少なくありません。そのような方は副業に挑戦してみることをおすすめします。
厚生労働省が実施する全国ひとり親世帯調査※によると、現在就業している母子世帯(シングルマザー)で副業をしていると回答した人の割合は8.4%でした。
副業は特別なスキルがなくても、まとまった時間がなくても心配ありません。ちょっとしたお小遣い程度の稼ぎであれば、すぐに始められます。
今回は副業の始め方、シングルマザーにおすすめの副業をご紹介します。
※出典:平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告
シングルマザーの収入について
厚生労働省の全国ひとり親世帯調査によると母子家庭の平均年収はおよそ200万円。月収にすると約16.6万円です。また、正社員が44.2%、パート・アルバイト等が43.8%となっています。つまりシングルマザーの約半分が非正規雇用です。
子どもの人数や環境によって必要な生活費は異なりますが、いずれにしろこの金額では子どもを育てるには十分な収入とはいえないのではないでしょうか。将来を考えると、副業の必要性が伺えます。
シングルマザーの副業について
シングルマザーの副業としては、サービス業、専門的・技術的職業、販売、運搬・清掃・包装等、事務、生産工程といった仕事を選ぶ人が多くなっています。
年間の副業収入は50万円以下。月収にすると4万円以下になります。それほど大きな金額ではありませんが、本業にプラスで毎月4万円の収入があれば、助かるのではないでしょうか。
シングルマザーが育児と本業、副業をこなすには
育児と本業だけでも大変ですが、さらに副業するというのは時間のやりくりは難しいものです。子どもが小さいうちは1人にしておくことはできないので、本業以外のアルバイトをするわけにはいきません。時間的制約があるため、選択できる副業は限られてきます。
また、副業によって、1日の稼働時間が長くなり寝不足に陥ることも。これでは身体的、精神的に負担が大きく、過労で病気になってしまいます。本業にも影響を与えると本末転倒です。
副業は在宅でできる仕事を選ぶようにすると負担が少ないでしょう。
副業を始める前に就業規則を確認しよう
シングルマザーが副業を始める場合、どうすればいいでしょうか。それには、まず本業の就業規則を確認するようにしてください。
就業規則を確認して副業OKであれば問題ありません。しかし、就業規則で副業NGとなっている場合、残念ですが副業を諦めるしかありません。副業が会社にバレてしまうと最悪の場合、懲戒解雇となる可能性もあります。副業は税金関係からバレてしまうことが多いので、気をつけたいところです。
副業を考えているなら、まず本業の就業規則をチェックしましょう。
シングルマザーにおすすめの副業
家事や育児で時間がないシングルマザーには、本業が休みの日や就業後にも自宅でできる副業がおすすめです。在宅でできる副業には手軽にできるものや単発でできるものがあります。
データ入力
データ入力は自宅で始められる副業として人気があります。パソコンがあれば少ない初期投資で済むのも魅力です。
データ入力とは、紙やPDFファイルなどの媒体で渡されたデータを企業が指定するフォーマットに入力したり、録音・映像データの音声を聞き取って文字に起こしたりする仕事です。
データ入力の副業で得られる収入は案件や作業量によって異なりますが、平日に2時間入力作業を行う人だと約3万円前後が収入の目安になります。相場は以下の通りです。
単純な文字入力:1文字0.1~1円
データの分類や判断が伴う場合:1件10~50円
データ入力は入力した文字数、情報量が多いほど稼げます。タイピングスピードを上げることで時給換算3,000~6,000円の収入が見込めるでしょう。
キーボードを使って文字入力ができれば未経験でも始められるのがデータ収入のメリットです。また、納期さえ守れば自分のペースで仕事に取り組めます。そのため、家事の合間や入浴前・就寝前といったすき間時間も有効活用できます。
ウェブライター
ウェブライターとはインターネット上のサイトに記事を書くことで収入を得る職業のことです。ニュース・ゴシップ・グルメなどの記事だけではなく、時には専門知識を求められる法律や医学、薬学などの記事も書いたりします。
ライターの副業は未経験歓迎のものも多く、例えばクラウドソーシングは今すぐライターの副業を始められるサービスです。そうした中で初心者を育てたいと考えて積極的に仕事をくれるクライアントもいて、上手くマッチングできれば長期にわたって安定的に稼ぐことも可能です。
ライターへの依頼で一般的なのが、文字単価性の仕事です。記事の文字数に1文字あたりの単価をかけて、報酬額が決定します。例えば1文字2円の仕事であれば5,000文字の記事をかけば1万円です。文字単価性の場合、レベルに合わせて報酬額を設定しやすく、未経験だと1文字0.3~0,5円程度、一般的なレベルで1~3円、専門的な記事を書くライターだと1文字5円以上が相場となります。
ウェブデザイン・製作
ウェブデザインとはインターネット上のサイトを製作する仕事です。そのため、副業として始めるには実績やスキルを証明する必要があります。クライアントによっては過去に製作した作品をもとに判断するため、ポートフォリオと呼ばれる作品集が必須だったりします。未経験の場合、個人的頼まれた製作物やスクールで作ったデザインを掲示することになるでしょう。
ウェブデザインの仕事はクライアントとのミーティングや製品製作、納品まですべて自宅で完了するものが多く、時間や場所の融通が利きやすい業務といえます。また、工程が細かく分かれるため、サイト全体の設計を決める段階や、細部のレイアウトを煮詰める段階、実際にコードを記述する段階まで、すべてがウェブデザインの一部です。
自分のレベルにあった案件やすき間時間にこなせる業務を選択することで、無理なく仕事を両立できるでしょう。
収入の目安は業務内容や稼働時間によって異なります。ウェブサイトの製作だと相場は20~30万円ですが、納品まで3~4か月かかると考えると月収に換算すると約10万円以下と考えてください。副業としてどのくらいできるのか分からない場合も多いので、まずは簡単な案件から始めて徐々に受注を増やしていくといいでしょう。
フリマサイト・ネットオークション販売
クローゼットに眠る着なくなった子供服や不要になった家具などを、フリマアプリを使って売ってしまいましょう。断捨離ができて部屋も片付くので一石二鳥です。フリマアプリはメルカリやラクマ、ヤフオクなどに登録し、売りたいものを写真に撮って値段を自分で設定します。売れたら梱包して発送という流れです。売り切るにはテクニックが必要になりますが、中には100万円以上の収入を得る人も。
当然、不用品がなくなれば収入を得られなくなりますが、その時は本格的に物販に乗り出すチャンスです。実店舗やメーカーから仕入れることで継続収入が得られます。場合によっては古物商許可証が必要になるので注意が必要です。まずは子供のサイズアウトした服や着なくなった服から販売してみるといいでしょう。
副業で気をつけたいこと
シングルマザーが副業をする上で気をつけたいことを紹介します。
副業収入が20万円を超えると確定申告が必要
給与を1か所から受けている場合は、副業の所得金額が年20万円を超えている場合には確定申告が必要です。収入ではなく、売上から差し引いた所得金額(もうけ)が20万円を超えるかどうかが基準なので注意してください。
給与が2か所以上から受けている場合(副業がアルバイトの場合など)は、年末調整された給与の収入が20万円を超えていれば、確定申告が必要です。この場合、収入が20万円を超えるかどうかが基準になるため、注意しましょう。
副業の場合、副業収入の所得金額と本業の給与所得を合算して確定申告書を作成し、税務署に提出することになります。細かな部分はケースバイケースで判断されることもあるので、不安があれば、各地域の税務署に問い合わせてください。
副業収入が増えると児童扶養手当が減額されることも
副業による収入が増えると、児童扶養手当の対象から外れる可能性があります。児童扶養手当はひとり親世帯を対象に18歳未満の子どもがいる世帯で、所得基準を下回る場合、対象となります。
副業により総収入が増えた場合、全部支給所得額の基準を超えると支給額が減額され、一部給与所得額の基準を超えると支給自体が受けられなくなります。基準額ギリギリの所得がある場合、副業での収入には注意が必要です。
内職はシングルマザーの副業としておすすめしない
在宅でできる副業として内職を考えるかもしれません。内職とは、業者から支給を受けた材料を使って自宅で製品を作成する仕事です。内職にはポケットティッシュの広告入れ、シール貼り、袋詰め、造花づくり、アクセサリー製作があります。内職は出来高制のため作業した分はそのまま収入に反映されます。
シングルマザーに内職をおすすめしない理由は、労働時間のわりに収入が少なく、材料の保管にスペースを取るためです。例えばポケットティッシュの広告入れですが、ティッシュ1個につき1円が相場です。これで1万円を稼ごうとした場合、1万個のポケットティッシュを保管し、その1個1個に広告を差し込まなければなりません。
そう考えると、ポケットティッシュの広告入れの内職は割に合わない仕事です。また、内職に関するトラブルもあります。消費者センターによると内職に必要だからということで高額な機材の購入を迫る業者もいるので、契約内容をしっかり確認し、納得した上で始めるようにしてください。