ひとり親家庭等医療費助成制度
ひとり親家庭等医療費助成制度は、ひとり親とその子どもや両親がいない子どもを養育している人を対象に、病院などで診察を受けたときに健康保険の自己負担分の一部を自治体が助成する制度である。
子どもが18歳に到達して最初の3月31日までが対象となっている。
ひとり親家庭では経済的な不安を抱えている人が多く、その不安と経済的な負担を軽減するために用意された制度だ。
市町村ごとに条例度で助成方法などがきめられているので、住んでいる市町村の条例を確認することが重要になる。
助成される金額は入院か通院かによって変わる。
基本的には保険診療の範囲内の診察治療であれば、自己負担のほとんどが助成される。
ただし対象外の項目もあるので注意が必要だ。
申請窓口で助成資格証明書の交付
支給方法は自治体によって細かな違いがあるが、基本的な流れはどこの市町村でも大体同じである。
申請が必要となるので、対象となる人は必ず手続きをしよう。
申請までの大まかな流れは、まず申請窓口で助成資格証明書の交付を受ける。
この助成資格証明書と健康保険証の両方を提示して医療機関で受診。
対象の医療機関であればこの助成資格証明書の提示をすれば、手続きは完了となる。
支払いは自己負担分から助成金を差し引いた額である。
まれに医療機関でもこの制度が利用できないケースもある。
助成資格証明書の利用ができない場合は、翌月以降に医療機関から発行された領収書をもって、各自治体の窓口で申請手続きを。
手続きを正しくおこなうことで、助成金が指定口座に振り込まれる。
助成申請ができる権利は5年間で消滅するので、必要な場合にはすぐに手続きをしたほうがよい。
所得が一定額以上あると対象外
ひとり親家庭等医療費助成制度には所得制限が設けられている。
申請者または扶養義務者の所得が一定額以上あると対象外となるので、注意が必要となる。
計算方法は、所得額=収入金額-諸経費(給与所得控除額)+養育費の8割相当額(養育費×0.8)-諸控除額である。
計算式があってもよくわからないという人は、子どもが1人の場合230万円、2人の場合268万円、3人の場合306万円と目安となる金額を把握しておくと良い。
自治体によって所得制限について言及されていない場合もあるので、自分が住む自治体には確認してから申請しよう。
所得に養育費が含まれる
ひとり親家庭等医療費助成制度を受けるときの注意点としては、所得に養育費が含まれるという点だ。
離婚するときに養育費を受け取る約束をした人は、養育費が所得額に計上されるので注意が必要となる。
また、適用対象外となる要件が細かく設定されているという点だ。
自治体によって要件が異なっているので事前によく確認しておく必要がある。
生活保護を受けている、健康保険に加入していない、子どもが児童福祉施設などに入所しているなどは対象外。
父または母の配偶者(事実上の配偶者も含む)に養育されていても対象外となる。